時代や規制で変わる、ヤミ金業者の手口|色々なヤミ金の種類
その他のヤミ金の種類について
090金融
2001~2002年頃、電柱をはじめとして、ガードレールなどに、『お金貸します*****(個人名)電話090-***-****』という様な貼り紙をして借金をしたい人を勧誘してくる『090金融』が、全国各地に蔓延する様になりました。
これは地元のヤミ金融で、貸金業者という形での登録をしない無登録業者だと言えます。
事務所はもちろん、お店を持たず、携帯電話に借入の申込の電話が入ると、待ち合わせ場所(たとえば借金をしたい人の自宅や会社の近くにある駐車場)に車で乗り付けて車の中で現金を手渡して貸付けをしたり、または持参させた返済金を受け取ったりします。
金銭の受け渡しは全部手渡しで、契約書も領収書等といった証拠を残しません。地元のヤミ金融として存在しているだけに、『今から家(会社)に行くぞ』『会社に行くぞ』の言葉どおり、実際に借金をした人やはもちろんの事、親族らの自宅、職場などに取立てに来るので、大変恐れられていました。
ただヤミ金融にとっても、現実に足を運んで、顔をさらして取立てを行うため、逮捕されるリスクが高いやり方です。
警察の現場対応の改善、貸金業法の改正による無登録者広告勧誘罪の創設、または取締りの強化、『取立てが来たらすぐ警察を呼ぶ』というお金を借りた側側の抵抗、『090チラシ剥がし』の運動などに影響を受けて、目に見えて減っていきました。
地元の登録ヤミ金
このヤミ金業者は地元のヤミ金融ですが、貸金業者という形での登録を県知事から受けているヤミ金融です。
持参払いが可能な地理的範囲で集客するため、地元の顧客をターゲットにしています。出資法違反の超高金利で融資をしていますが、出資法の範囲内で貸しているかのように契約書類を偽装するなどしています。
地域社会に根を張っているアドバンテージがあってそんな簡単には検挙されないでいましたが、ヤミ金融の撲滅が社会的課題となるに連動して、検挙される例も増えました。
ケータイヤミ金
近頃のヤミ金融の主流は、典型的な手口として携帯電話によって勧誘と取立てを行い、口座振込で貸付け返済を行う『ケータイヤミ金』です。
これも『090金融』と言われることがあるのですが、かつて090金融と呼ばれた地元のヤミ金融とは種類が異なります。
むしろ、都(1)金融(トイチ金融)の変化型ではないでしょうか。かつての都(1)金融(別名:トイチ金融)は、雇われ店長が自分名義で東京都知事の登録を受け、お店を賃借し、預金口座を開設し、取引用の固定電話の契約をしていました。
その結果店長の身元は容易に判明するため、2003年頃に大勢のヤミ金店長が一斉に検挙され、店長が口を割る発言でヤミ金融組織の崩壊にも直結することが明らかになりました。
そこで、それ以後は、店長の身元を隠す為に無登録で営業し、他人名義の携帯電話とかに加え、他人名義の預金口座を犯罪行為に使うという手口に変化したのです。
名簿屋から購入した多重債務者のリストで勧誘し、日本中の多重債務者を相手に『非対面型融資』をする手法は、かつての都(1)金融(別名:トイチ金融)と同じです。
顧客情報を共有する数多くの店舗が連携して顧客を自転車操業に引き込む手法を捉えて『システム金融』と呼ぶ例もあるらしいのですが、手形・小切手を活用しない部分が大きく違います。
また、お金を借りた人から振り込ませた借金の利息を口座から引き出す際に、防犯カメラの画像に於いて身元が割れるリスクが考えられます。そのために、ATMで高金利の利息を引き出す役目を『店』を切り離し、外部の人間を『出し子』という形で雇う手法が採られるようになっています。
車金融(車リース)
自動車を担保にとるヤミ金融です。駐車場のフェンスとか塀などに『車でお金』『乗ったままご融資』『ローン中でもOK』と言う様な看板を取り付けて集客をしています。
出資法を脱法するために貸金と言う様な形を避けて、仮装の自動車の売買契約と賃貸借契約を締結しているのが『車リース』です。
ヤミ金融業者がお金を借りた人から自動車を買って買取り代金を支払い(実質は貸付け金)、ヤミ金を利用した人はその自動車をリースしてもらい(乗ったまま融資)、ヤミ金融業者にリース料(実質は利息)を支払い、買戻代金を支払って買い戻す(実質はヤミ金の元金の返済)、という方法です。
お金を借りた側の自動車の譲渡証明書・委任状・印鑑証明書など自動車の名義書換に必要な書類、それに車検証やスペアキーを取り上げておき、支払をしなければ車を引き上げ、買取り業者などに転売してしまうようです。車リースも、ヤミ金融の撲滅が社会的課題となるに連動して、検挙される例が増えました。
その他の脱法系ヤミ金
家具リースは、家具を担保にとるヤミ金融となります。車リースを家具に変更たものが家具リースです。
ヤミ金を利用している人から家具を買い取ったことにして買取り代金の名目にて実質的に高金利の借金を貸付け、リース契約を結んだ事にして、家具をお金を借りた側の手元に残す代わりにリース料の名目によって実質的に利息を取り立てます。
買戻し代金の名目で実質的にヤミ金から借りた元金を完済しなければ、この関係から抜け出せません。
チケット金融は、ヤミ金を利用した人に代金後払いでチケットを売り渡し、お金を借りた側はそのチケットを買取り業者に転売する事で、転売代金の名目で高金利の借金を手にします。そして、チケット金融は後払いの売買代金の名目というコトで元利金を回収します。簡単に言うと、チケットの売買・転売であって貸金ではない、資金を融通する者(買取業者)と回収する者(チケット金融)が別人である(包み隠さずに言うと裏でつなかっているのですが)、という形をとることで、出資法から逃れているのです。
家具リースとチケット金融は、2003年以降の警察の取締り強化に影響を受けて、ほぼ壊滅しました。
チケットも家具も、独立した売買取引のターゲットとするに足りる実態に乏しいことから、脱法行為に過ぎないと考えるコトが暴かれていったのです。
その後、チケット金融の変形版として、金貨の売買・転売という形をとる『金貨ヤミ金』などが現れています。チケットよりも流通性が高い金貨が介在するためヤミ金融業者と買取り業者とのつながりが希薄になり、それによって摘発を免れようとしていると考えられます。いずれにしても、手を変え品を変えヤミ金はターゲットを探しているため、注意する必要があります。
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